所得再分配と成長

IMFコラム。ペーパーも。要約は下記。

The conclusion that emerges from the historical macroeconomic data used in this paper is that, on average across countries and over time, the things that governments have typically done to redistribute do not seem to have led to bad growth outcomes. And quite apart from ethical, political, or broader social considerations, the resulting equality seems to have helped support faster and more durable growth.

To put it simply, we find little evidence of a “big tradeoff” between redistribution and growth. Inaction in the face of high inequality thus seems unlikely to be warranted in many cases.

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なぜ「革新」勢力はTPPに反対するのか:ロドリックの政治的トリレンマによる解釈

 TPPについて、「革新」勢力、いわゆるリベラルな人たちが反対している。20年前は、国連主義だったであろう人たち、より国際的な協調を重視したであろう人たちが反対している。これはなぜだろうか。

 私は、中国・韓国の台頭により、日本の主権がより裸になり明示的に擁護しなければならなくなったからだと考える。そして、リベラルな人たちは民主主義にもコミットしている。主権と民主主義にコミットする限り、グローバルな関心は二の次、三の次にならざるをえなくなったというのが私の解釈である。これに対して、保守派と呼ばれるであろう人々は、経済的関心そして地政学的な関心からグローバルな利益とグローバルというアイデアにコミットしている。そして、主権にもコミットしている。その結果として、民主主義的な関心(少数派をどこまで擁護するか)が後ろに下がっているのだ。

 主権と民主主義とグローバルな関与の三つが共存できないことは、ダニ・ロドリックが強調している。日本の保守派は、いわゆるネオ・リベラルな人々がそうであるように、主権とグローバルな関与を選択しているようである。そして、日本の「革新」・リベラル派は、主権と民主主義を選択しているのであろう。

 附帯的な質問としては、なぜ「革新」・リベラル派は、以前は国連主義というグローバルな関与を信奉していたのだろうか。これは、おそらく、米国の「核の傘」のもと、かつ中国・韓国を他者として意識することない経済的状況のもとで、民主主義とグローバルな関与という選択肢を選んでいたのだ。しかし、中国・韓国の台頭により、主権をいやがうえでも意識せざるをえなくなった。そして、グローバルな関与が落とされたのであろう。

 保守派にとっては、民主主義は、主権とグローバルな関与に比べて優先度の低い目標である。だからといって、選挙を意識していないということにならない。優先度の低い目標だからこそ、手段として設定され、参議院選挙を戦うために最適のタイミング(つまり、早期の参加表明)でTPP参加表明がなされたのだ。

 これから数年は、「革新」・リベラル勢力にとっては国連主義を含むグローバルな関与をどう取り扱うか、保守勢力にとっては民主主義を手段ではなく本源的な価値としてどのように取り扱うかが鍵になろう。

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『無原罪移転理論』と『「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか』

そう言えば。備忘録の一つ。p. 107 「補論 貯蓄投資ギャップと貿易不均衡」において、以下の表現あり。『(3)式より、一国の経常収支額は、国内の貯蓄と投資の差額(貯蓄投資バランス)によって決まり、為替レートなどの影響を受けない。』

そこでジョン・ウィリアムソンによる(ものとクルーグマンが言う)『無原罪移転理論』(原文はこれ、翻訳はこれ、関連してこれ)。

And the key point is that individuals in general neither know nor care about aggregate accounting identities. Take the doctrine of immaculate transfer: if you want to claim that a rise in savings translates directly into a fall in the trade deficit, without any depreciation of the currency, you have to tell me how that rise in savings induces domestic consumers to buy fewer foreign goods, or foreign consumers to buy more domestic goods. Don’t tell me about how the identity must hold, tell me about the mechanism that induces the individual decisions that make it hold.

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Paul Krugman appeared in TRM on May 1st.

Paul Krugman appeared in TRM on May 1st.

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Melissa Dell and the Mexican war on drugs

Melissa Dell and the Mexican war on drugs

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Acemoglu and Robinson, Why Nations Fail

Acemoglu and Robinson, Why Nations Fail.

 最近の成功例として(ルーラの)ブラジルが挙げられているのがとても興味深い。援助においてはEmpowermentの重要性が特筆されていて、これは操作可能なので非常に重要。つまり、援助において、これまで「排除されていたアクター」にどれだけ便宜が図られるかがA & Rに整合的な一つの注目点となる。政治においては、民主主義と多元主義の違いが重要(A & Rは多元主義に重きをおいている)。RCTに対しては、政治的な制約の為に懐疑的。全体として、サックスではなくイースタリーであり、同時にコリアーでもあり、ハンティントンでもあり、バリントン=ムーアでもある。Critical junctureにおいて小さな差異がものを言うという論点は、生物学的でさえある。

 日本について言えば、多元主義という論点が大事だし、ペルー・フジモリ政権のメディアへの対応が非常に示唆的だと思う。田中明彦先生は本書を読んで理解する度量が当然あるので期待しましょう。

 皮肉なことに、本書に至るまでに経済学界のスターお歴々によってすでに元のペーパーが読まれ、本もコメントされてしまったために、レビューの書き手が経済学界ではいなくなってしまった。とするとeconomic journalistやpolicy intellectualがレビューを書くしかない。FTではマーティン・ウルフが字数の制約の為か切れ味の無い書評を書き、NYTにいたってはPlanet Moneyのアダム・デイビッドソンが書いており、これは負担が大きすぎだ。現在、二巻本の二巻目を執筆中のフランシス・フクヤマは嫉妬とも言えそうなレビューだ。EconomistのButtonwoodはすっきりしたレビューこれも)。Economistのレビューはまずまず。マシュー・イグレシアスのレビューはこれでHunger Gamesをふまえている。

 世界史を書くような歴史学者にレビューをしてもらいたいものだ。ご本人たちのブログはこれ

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¿Quién es quién en las encuestas?

01/03/2012
Leo Zuckermann 
Nexos.

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「東日本大震災に関する特別調査」の概況(第1 回)

「東日本大震災に関する特別調査」の概況(第1 回
~震災で日本人の心理や行動はどう変わったか~

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農民の43%が土地徴収の経験あり、政府は40倍以上の価格で転売―中国

農民の43%が土地徴収の経験あり、政府は40倍以上の価格で転売―中国
2012年2月11日(土)5時58分配信 Record China

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you cannot teach an old dog new tricks, even with incentives.

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http://www.VoxEU.org/index.php?q=node/7593#fn1

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