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相対化する知性(松尾、西山、小林)

相対化する知性(松尾、西山、小林)。

 

本のできる契機は、西山が松尾・小林に声をかけたこと。西山は自分が読みたい本がなかったので書いてみたという(あとがき)。テーマはディープ・ラーニング時代(量子力学時代)の知性のありかたである。

第1部は松尾による人工知能ーディープ・ラーニングの新展開であり、極めて着実に書いてある。なにがディープなのか、ということをわからせてくれる。そこで、明らかになるのは人間の言葉による記号系RNNの不十分さである(図3.2)。そこで、なぜそうなるのかわからない新発見=正解がディープ・ラーニングによりもたらされる可能性があるという。

西山の第2部はここから始まる。量子力学的な観察者がその場にいることが明示的に組み込まれる状況での知性とはなにか。そこで強調されるのはマルコフ・ブランケットとエマージェンス(立ち現れ)であり、強い同型論であるという(図9.1)。

小林の第3部は無謬性を捨て、知性の成長を信じれば大丈夫という楽観的な未来をシンプルな資産価格のモデルを使って議論している。

 

進化との関係はなにか?文化との関係はあるのか?あるよね。人工知能時代に対応した、新しい知のモデルという文化の一手段が提示されたと考えればいいのか。

 

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