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E. Posner and G. Weyl (2018) Radical Markets

E. Posner and G. Weyl (2018) Radical Markets: Uprooting capitalism and democracy for a just society, Princeton.
2018年のトップ10に入る収穫と呼ばれる本書。やっと速読できました。ずっと積ん読だったり、持ち歩きだったりしたのですが、夏休みの宿題を仕上げるように馬力をかけて読みました。本書のきっかけはWeylのリオデジャネイロ訪問にあると前書きが始まっています。
資産、投票、移民査証、株保有ルール、電子データの取り扱い、についてradical(「急進的な,過激な,革命的な」というより「根元的な,根底の;基礎的な,根本的な」)な提案をおこなっています。
1) 資産税: COST (common ownership self-assessed tax)、p.61、
2) 投票: QV (quadratic voting)、p.105、
3) 移民査証: VIP (visas between individuals program)、p.150、
4) 株式保有ルール: 寡占業種では一企業のみ、コーポレートガバナンスに参加するのであれば1%以上の保有は禁止、p.192、
5) 電子データの取り扱い: 対抗力のある組織化、p.239あたり。
各市場での市場支配力(market power)に着目して、上記のような制度上の提案をおこなっており、実施に当たってはsmall scaleでの実験から始めるとよいとしている。
Dani RodrikがEconomics Rulesで述べているように、経済学者が提言する政策指針と経済学者が研究して生み出す経済学の知恵は異なることがある。となれば、逆に経済学の知恵をしっかり使うと根元的な政策提言になることも予想される。本書はその例であると言えると思います。経済学の「型」に染まっている時にはフレッシュな読書です。

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