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マイケル・アントン(Michael Anton)というイデオローグ

マイケル・アントン(Michael Anton)というマキャベリ好き・スーツ付き・ビーチボーイズ好きの右翼イデオローグ。

最初は「America’s Leading Authoritarian Intellectual Is Working for Trump」という記事が目に留まった。米国の権威主義とは珍しい。保守派エスタブリシュッメントとも対決する点でバノンともミラーとも一致する「The Flight 93 Election」をローマ人偽名で執筆。その後、「The Anonymous Pro-Trump 'Decius' Now Works Inside The White House」でマイケル・アントンと明かされる。Weekly Standardsは保守系の雑誌。
さて、こういう人がどうやって生まれるかというのが興味関心。「The enigmatic writer's real name is Michael Anton, and he's a fast-talking 47-year-old intellectual who, unlike most of his colleagues, can readily quote Roman histories and Renaissance thinkers.」と紹介されているので1970年生まれ。Linkedinで見ると、UCLA, St. John's College, Claremont Graduate Universityを卒業している。何を勉強していたかは、彼がスーツについて偽名で書いた本に関するこのインタビューでわかる。完全な人文系である。どうもカリフォルニア出身らしい。それはインタビュー「The Dandy」を見るとカリフォルニア出身であることが想像できる。そして、Linkedinのプロフィールには載っていないが、インタビューには、彼が米国州知事Governor Pete Wilsonのもとでspeech writerをしていることがわかる。たしかに、人文系が政治で上がっていくにはspeech writerというキャリアが米国ではよくある。ステファン・ミラーもcommunicationsだった。
1970年のカリフォルニア生まれというと、要はメキシコ移民が大量に入って来はじめるころである。50年代、60年代のカリフォルニアの「黄金時代」への憧憬がマイケル・アントンにあってもおかしくない。それを象徴するのが、ビーチ・ボーイズのsmileについて彼が書いたこの文章である。この他、Claremont Review of Booksには面白そうな文章が載っている。
ピート・ウィルソンと言えば移民排斥である。
ということで、過ぎ去ったカリフォルニアの黄金時代を戻したい若者が本を読んで大きくなり、若いころにはピート・ウィルソンで失敗し、その後にニューヨークのジュリアーニで成功し、ホワイト・ハウスの国家安全保障会議に入り、イデオローグとしてキャリアを積んだということだろう。ステファン・ミラーとも呼応する。ネオ・コンより内向きの人文系の人々である。こういうdie-hardな人々がホワイト・ハウスに集団でいるのだろう。彼らが、必死に取り込もうとしているのが中西部(ウィスコンシン、オハイオなど)のトランプ・デモクラットであることは興味深い。それが、ペギー・ヌーナンの言う別の政党なのだ。
久しぶりに米国政治思想史の専門家が面白くなってくるかもしれない。

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