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何を輸出(生産)するか、それとも、どう輸出(生産)するのが大事か?

 我々の勉強しているアレンのテキストでは、成長するには工業化が大事だと述べています。それで、最初にイギリス、続いて西ヨーロッパ大陸諸国とアメリカ、さらには日本とロシア、韓国と台湾、現在は中国が成長しているというのです。

 このように考えると、工業化=製造業の発展となり、製品を生産(輸出)することがその国の成長にとって大事だという議論につながるかもしれません。しかし、この点については議論があるのです。このポストでは、二つのペーパーを紹介します。

 リカルド・ハウスマン、ジェイソン・ウァン、ダニ・ロドリックは"What You Export Matters"というペーパーを2006年に書いて、高生産性をもたらす財を選ぶことが大事であると議論しています。

 これに対して、ダニエル・リーダーマンとウィリアム・マロニーは"Does What You Export Matter?"という明らかに上記論文を意識したタイトルの小冊子を2012年に発表しています。かれらの議論は、何を輸出(生産)するかが大事ではなく、ある財をどのように生産(し、輸出)するかが大事だという議論です。なぜそうなのかということが知りたければ、読んでみてください。

 両者の議論は異なる政策含意を持ちます。財の選択が大事であれば、高生産性の財を選ぶという焦点を限定した産業政策が有効かもしれませんが、生産の仕方が大事であれば、高等教育などのより広範囲の政策が効果的かもしれません。

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