« 今日は金曜日。 | Main | James Fallows on Wikileaks »

『アメリカン・デモクラシーの逆説』

渡辺 靖『アメリカン・デモクラシーの逆説』 (岩波新書)

 速読。日経の書評欄に紹介文を生井氏が載せていた。長い書評において、言われても良いことは80年代に佐々木毅(政治学者、特に政治思想史)が担ってきた米国政治の解読を、副島隆彦著「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」(副島氏の著書で唯一読んだもの)を経て、今、文化人類学者が担っているということだろう。80年代は、雑誌と本を根拠として政治思想史の研究者が政治思想の鳥瞰図を描き、そのこと自体が付加価値となった。90年代にはマニアックなintelligent arbitragerがその任を受け継いだ。2000年代から2010年代に入っていく今、直接的な「体験」をもった文化人類学者が米国政治思想の紹介の任を果たすことになった。

 と、こんなことを書くと、否、この本がある、あの本があると専門家は指摘してくれることだろう。それはそれでありがたい。しかし、象徴的な意味は変わらないような気がする。

 もう一点。Fox TVとRachel Maddow、それからRush Hudson Limbaugh IIIを割愛しているのは、おそらく意図的だ。それ自体で一冊の新書になるような事柄だからだし、メディア分析も必要になるからだ。言わなくても分かる人にはわかる。そのこと自体が、文化人類学と整合的であり、メディア分析を回避していることとも整合的だ。

|

« 今日は金曜日。 | Main | James Fallows on Wikileaks »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 今日は金曜日。 | Main | James Fallows on Wikileaks »