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Dani Rodrik: 中国に場所をつくってあげる

Making Room for China
Dani Rodrik
 via Mark Thoma.  very crispy and insightful, but probably non-influential, op-ed. 優秀な中国政治経済ウォッチャーの意見を伺いたいところ。
 まずは、論理的な整理。国際貿易バグワッティの整理による次善の理論では、distortionは元から絶つのが正しい。貿易財に(プラスの)歪があるのならそこを補助金で促進するのはあり。もちろん、非貿易財(aka農村)に(マイナスの)歪があるのならそこを直すのが最善だが、政治によりできないのなら、貿易財部門を国内で手当てするのが次善。次、貿易政策を使うのはthird bestで、為替レート過小評価は貿易財に輸出補助金を出すのと同じ効果(貿易財・非貿易財二部門モデル、いわゆるdependent economy modelで教科書はサックス=ラライン)をもつが副次効果が出てしまう。モデルから正しく帰結できるように、この政策は経常黒字をもたらし、国内消費を低く押えてしまう。なので、ロドリックは、国内の貿易財についての生産補助金をできるようにしてやり、その代わりに為替レートを切り上げすることを提案している。
 勝手な当て推量で恐縮だが、もしそれをWTOが可能にしたとして、中国政治エリートが受け入れるのかわかりません。中国政治エリートとくに国際派が、教条的自由貿易に染まっていたら(事実確認なし)、国内貿易財に生産補助金をつけることに抵抗感があるだろう。あとは、為替レート過小評価は、内資にも外資にも均等に影響を与えるが、生産補助金では内国民待遇が保たれない可能性があるよなぁ。
 日本の産業政策について、優位を失った産業を速やかに退場させるのに効果があったとの見方をとれば、そういう産業政策を認めるのはありかも。あと、中国の景気刺激策が非沿海部に大きな効果があったとすれば、これは逆向きの動きなので、為替レートは更にいじれないだろう。一般的に産業政策に共感があるとされる日本政府としては、ロドリック路線に乗ってあげるのは一つの方策かも。ということで、経済産業省と外務省の方々がこのop-edを熟読玩味すると良いというのが当面の結論か。初級経済学しかやってないとわからないので、学部中級レベルを勉強した人々が両省に溢れていることを祈るのみ。

【追記】Dani RodrikはVoxEUにも同じ題でshort essayを出した。

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