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『ワシントン・コンセンサスの時代が終わった』

 『ワシントン・コンセンサスの時代が終わった』とゴードン・ブラウンが言ったらしい。そして、記者会見でオバマはそのことについてコメントを求められたとのこと(Jake Tapper)。簡単に言うと、ゴードン・ブラウンはいわゆる「ワシントン・コンセンサスとして信じられているもの」について終わったと言い、オバマは正しいワシントン・コンセンサスの理解のもとでコメントを避けたのだと思う。それがわかるのは、comprehensive capital account liberalizationについての検討である。ワシントン・コンセンサスという言葉を最初に創ったジョン・ウィリアムソンによれば、意図的にcomprehensive capital account liberalizationは避け、対内直接投資の自由化に限定したのだという。もちろん、90年代にIMFがUS Treasuryと共にcomprehensive capital account liberalizationを提唱したと言ってよい。今回の危機では、欧州辺境(アイスランド、エストニアなど)を中心に典型的な通貨危機が起きており、その点ではcomprehensive capital account liberalizationを非難することもできよう。しかし、本当のワシントン・コンセンサスには入っていないのである。ワシントン・コンセンサスを正しく使えるか使えないかで、学部上級の国際開発をきちんと消化したかがよくわかる。もちろん、ゴードン・ブラウンはロンドンのデモ隊に何かを言わなければいけないので、「ワシントン・コンセンサス(として信じられているもの)」は終わったと言わざるをえないだろう。
 興味深いのは、今回、資金増となったIMFは、US Treasuryのくびきを離れ(?)、FSBを持ち(?)、これまで掲げてきたcomprehensive capital account liberalizationを促進するのではなく、何をマンデートとするかどうかだ。その試金石は、ロドリックがいみじくも指摘したように、人事にあらわれるはずである。なぜなら、

"the heads and senior leadership of the international financial institutions should be appointed through an open, transparent, and merit-based selection process"

だからである。誰?どういうmeritで選ぶ?経済学?国際金融実務?それとも政治?彼(女)は何を模範とする?アジャスタブル・ペッグ+資本移動規制のブレトン・ウッズⅠ?洞察力の高いロドリックは、すでにグローバリゼーションは簡単に終わらないと看破しているので、そういう意味では、選択肢は結構あるということになるはずだ。これまで考えられてきたnew international financial architectureの真の価値が測られるだろう。

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