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国際協力銀、途上国支援で基金創設 国際金融公社と契約 (Nikkei)

国際協力銀、途上国支援で基金創設 国際金融公社と契約 (Nikkei Net)。JBICのプレスリリースはこちら。IFCのプレスリリースはこちら

国際協力銀、途上国支援で基金創設 国際金融公社と契約 (Nikkei Net)
 日本政策金融公庫の国際部門である国際協力銀行(JBIC)は2日、途上国の金融機関の資本増強を支援するための総額30億ドル(約2700億円)の基 金を創設する契約を、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)と正式に結んだ。アフリカやアジアなど途上国の有力銀行へ出資や劣後ローンを提供すること で自己資本の増強を支援。途上国の金融システムの安定につなげる狙いだ。
 
 ファンドの名称は「途上国銀行資本増強ファンド」。昨年11月に日米欧と先進国の20カ国・地域がワシントンで開いた緊急首脳会合(金融サミット)の 際、日本政府と世界銀行が創設で基本合意していた。来日中のテュネルIFC長官が2日、国際協力銀の渡辺博史経営責任者を訪ね、ファンド創設の契約書に調 印した。
 
 ファンドは12億7500万ドルの出資ファンドと、17億2500万ドルの劣後ローンファンドで構成。出資額はJBICが計20億ドル、IFCが計10億ドル。今後、ほかの国や国際機関にも出資を呼びかけていく方針だ。(02日 22:33)

 NHKの2月2日英語ニュース(3:22-4:16)ではAfrica and Central Americaと言っていたので、一瞬耳を疑い、聞きなおした。もし、私が勝手にwatchしている某銀行にJapanese Tax Moneyが入ったら、、、なんて思ったからだ。しかし、アジアやアフリカでも心配だ。もう一度、memo to selfとして書いておこう。日本の納税者の代表として、誰が途上国の銀行が大丈夫だと審査できるのだろうか。90年代末にはこういう人材は極度に少なかった。今は知らない。
 一般には、途上国の銀行を審査するときには、現地のマクロ指標、金融情報、そして、銀行の財務諸表が出てくる。マクロ指標については、IMFが多少はフォローしている。次に金融情報だが、これは実はよくわからないことが多く出てくる。例えば、現地のinterbank marketの状況や、中央銀行や財務省との関係などである。特に国債のところでいろんなことが起きていることが多い。制度派ならinstitutional environmentに対して、institutional arrangementとでも呼ぶようなこの部分は、往々にしてよくわからないことが出てくる。するとヒアリングをしなければならない。
 さらに、銀行の財務諸表である。一般には、現地語の財務諸表を、現地の外資系の会計事務所が既存の翻訳対照表を使って訳してくるが、これにはよくわからない項目が多数発生する。会計事務所も訳しておきながら、尋ねると、実はよくわからないと素直に言ってきたりする。すると、またヒアリングである。
 ヒアリングにおいては、マクロがこう変わったときに、金融市場がどう変化し、それが財務にどうインパクトがあったのか、そして、それが財務諸表(四半期ぐらいかな)のどの項目に影響が出たのか、ということを詰めて聞いていくことになる。それこそが、リスク管理の前提である。相手側としては、自分の銀行の弱みを出したくないので、論理的につめないと教えてくれない。それから、最初はMOF担みたいな(接待は得意だけど、銀行ビジネスを実際はやってない)渉外が出てきてらちがあかず、担当を出せということになる。担当が出てくると、あちらの不十分な英語で詰めていくことになる(しばしば、こちらも)。とはいえ、うまく信頼を勝ち得ると、よしじゃぁ細かいのを見せてやろうと言って月次もしくは日々の経営情報システムのデータが出てくるが、ここでは本店と支店が別会計になっていたりして(合併や分権化などの影響)、これもヒアリングで詰めていくことになる。当該国がかぶるいろんなリスクに対して、該当銀行がどのように対処できるかという評価をするのには時間がかかる。
 さて、こういう汗水たらした作業をしていると、世銀(IFC)やIMFの人々がミッションでちょこっとやってきて、安定性なら自己資本比率を見ておけばいいじゃないかと(素直なアドバイス)を言う。危機に際して資本を調達できるのなら、日本の納税者の金をつぎ込む必要は無いのだ。しかし、そもそも自己資本比率が効力を発揮する経済基礎とはなんだろうか。それは、資本市場とくに株式市場が動いていて、そして資本を調達するのが大変だということにある。そうでなければ、無制限な貸付を自己資本比率によって止めることはできない。しかし、資本市場が動いていなかったり、寡占的だったり、政府にしばしば牛耳られていたりする場合には、自己資本比率が効力を発揮する経済基礎が無い可能性があるということになる。ということで、中長期に金を入れるためにはやはり銀行が直面するリスクを正確に見ないといけない。世の中はOne Economics, Many Recipesなのだ。

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