『アダム・スミス』と『心の脳科学』
堂目 卓生『アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界』(中公新書)、坂井 克之『心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる』(中公新書)。これと、下條 信輔『サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代』(ちくま新書)を合わせて、2008年の「経済学教養」だろう。
【堂目】「『道徳感情論』において、スミスは、人間本性の中に同感-他人の感情を自分の心の中に写しとり、それと同じ感情を自分の中に起こそうとする能力-があることを示し、この能力によって社会の秩序と繁栄が導かれることを示した。」(p.269)
【坂井】「共感に際しては脳のどの領域が働くのでしょうか。恋人が痛がっている映像を見たときの被験者の脳活動を計測すると、自分が実際に痛みを感じているときと同じ脳領域が活動します。相手の体に生じていると予測される感覚情報を、視覚情報だけをもとに自分の脳内に作り上げているのです。」(p.166)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 横田 増生『評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」』(2012.07.30)
- 『空飛ぶ中国』(2012.05.27)
- 佐々木 俊尚 (著) 「当事者」の時代 (光文社新書)(2012.03.31)
- 応仁・文明の乱 (戦争の日本史 9) 石田 晴男(2012.03.03)
- 『つながる脳』『ソーシャルブレインズ入門』(2012.02.28)
Comments