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開発コンサルタントおよびNGOなどでの現地インターンシップへのマクロ準備(学部生用)

結論:

1)インターンシップはmicroとnanoの経験。
2)しかし、ODAを視野に入れた場合にはbig picture(つまりnation-wide)とmeso(中間レベル)をわきまえていることが必要。

1)インターンシップはmicroとnanoの経験。
 インターンシップは、scope(範囲)においてmicroの経験です。家族(家計)と家族(家計)の関係、家計と企業の関係、それぞれは全てmicroの出来事です。そして、それよりもscopeが小さいnano(ナノ)、言わば、人の頭の中や家族内関係も見ることができる場合もあります。
 これらのレベルにおいて、発展は始まります。そういう意味で、microの経験は非常に大事です。どのようにして、人々が自分たちの子供を救おうとしているのか(保健や栄養)、人々が自分たちの生活を立てようとしているのか(農業などの生産)、自分たちの子供に自分よりも良い生活をしてもらおうと願っているのか(教育)などの実態を目にすると良いはずです。そして、たくさんの質問を手に入れてきたらよいと思います。そして、そこでできることをしてきてください。まずは、健康を害してお荷物にならないことが最重要です。次には、最低限の公用語を使って、メニューが読め、数字が使え、トイレの場所を他人にきいて行けることが重要です。

2)しかし、ODAを視野に入れた場合にはbig picture(つまりマクロ=nation-wide)とmeso(中間レベル)をわきまえていることが必要。
 援助ビジネスはNGO活動とODA活動に分けることができます。民間ビジネスが大規模に始まれば、援助ビジネスの役割は小さくなります。NGO活動は、そのNGOが目標を決めればいいのです。ある村だけを良くしようという目標を立てることはできます(できるかどうかは別として)。ODA活動では国対国の関係で活動が行なわれますから、援助はミクロで行なわれていても、最終的には国単位での影響が問われます。
 つまり、援助ビジネスで働こうとする人は、国単位での意義付けをしっかりわきまえておくことが重要になります。また、メソ(meso、中間レベル)は、地域(県や州)レベルです。発展においてしばしば、地域間の関係も重要ですから、目配りをしておくことが重要です。
 また、インターンシップの利点は、私の考えでは、たくさんの良い質問を考えて、そして、それを礼儀正しく現場の専門家にぶつけて、学ぶことだと思います。nation-wideの勉強は、政策への質問を鍛えます。

そこで、アフリカのセネガルを例にとって、次の3つをお奨めしておきます。
2A)最貧国への開発経済学の理論と実践
2B)セネガルのマクロ経済状況と各論
2C)セネガルへの商業的農業の試み

2A)最貧国への開発経済学の理論と実践
 これは、なんと言ってもポール・コリアー(Paul Collier)の『最底辺の10億人』(日経BP)がいいと思います。翻訳は完璧ではありませんが、読みやすい仕上がりです。

2B)セネガルのマクロ経済状況と各論
 IMFのレビューがいいと思います。こういう文書の読み方は、とにかくExecutive Summaryを読んで全体をつかむということです。
 このほか、IMFはSelected Issuesも出していて、最近のものでは、第二章のPOLICIES TO PROTECT THE POOR FROM RISING ENERGY AND FOOD PRICES IN SENEGALが面白いと思います。最近の原油価格・穀物価格高騰にどう対処しているかという分析です。

2C)セネガルへの商業的農業の試み
 OECDに勤める開発専門家が書いたペーパーです。おそらくインターンで行く場所は伝統的な農業地域だと思いますが、こういう試みを頭に入れておくと、比較して質問がたくさん出てくると思います。

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【開発経済論】」カテゴリの記事

Comments

すでにお伝えしてあるかと思いますが、インターンとして行くからには公開報告書の作成を考えながら行動することも大事かと思います。

もっとも、一所懸命書いたからといってちゃんと読んでくれるのは先生ぐらいで、先方からのコメントも期待してはいけないと思いますが、そういう緊張感は自由旅行との大事な違いになると思います。

Posted by: YN | 2008.08.19 at 01:46 PM

YNさん、ありがとうございます。たぶん、帰国報告セミナーをやれ(and/orやってください)と言ってあるので、日記をつけろと言ってあります。それを加工すれば、公開報告書にはなるでしょう。まぁ小姑のような立場なので、言うことは言った後は本人次第です。

Posted by: ひさまつ | 2008.08.19 at 02:00 PM

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