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歌舞伎からわかる常識二つ

 歌舞伎からわかる常識二つ。その1は、大阪におけるヒエラルキー。
 『大阪の男達には独特のヒエラルキーがある。というのも、江戸時代は徳川幕府直轄地であったために大阪には武士の存在が希薄だった。日本中、お殿様がいる身分制度の中で生きているのに、大阪の中心地はほとんど商人と職人だけという状況だったのだ。もちろん口うるさい武士も居たには居たが、なんせお殿様が不在なので、「うるさい奴ら」で括られてしまっていた。
 結果として大阪の商人は商売をしても自分の身銭になったので、どのお国よりも自由だったわけである。(中略)
 日本一自由な精神状態だったはずの商人達が何をしたか?というと独自の身分制度を作ったんである。』(わかぎゑふ『「男の見栄」~団七に見る大阪人気質~』(2008渋谷・コクーン歌舞伎夏祭浪花鑑筋書き))

 このあたりは、文楽と、文楽が元になった義太夫狂言の市場を考えるときの常識なはず(ひいては近代の近松復活の理由かも)なのでmemo to self。忘れたら思い出そう。

【080705後記】あくまでも仮説だが、この自由な商人たちの中の身分制度は、明治以後も残った可能性がある。なんというか「細雪」なんかにはそういう気配がただよっているような気がする。

 その2は、単なる事実確認。蚊帳の江戸における重要性は、東海道四谷怪談(4世鶴屋南北作、1825年、東京の中村座で初演)の2幕目・伊右衛門内の場で如実に表されている。開発における蚊帳の重要性については、アフリカで特に深刻なマラリアの感染を予防する蚊帳「オリセットネット」を開発し、タンザニアで生産している住友化学の米倉弘昌社長に援助のあり方などについて聞いた毎日新聞の記事を参照のこと。

Q 実際に効果はあったのですか。

 A 米コロンビア大のジェフリー・サックス教授が主導し(04年以降)アフリカ10カ国に「ミレニアムビレッジ」(極度の貧困から脱することを目 指すモデル村)ができた。そこに33万張りの蚊帳を寄付し使ってもらったところ、マラリア原虫保持者が55%から1年足らずで13%に減り、患者数も半減 したとの報告があった。病気が治ると農業に復帰できる。荒れ果てていた畑に青々とした作物が戻った。

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