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Morgan Stanleyは利下げ予想を撤回

 たしか大マスコミは、先日の経済・物価の展望の発表の後に、日銀は利上げスタンスから中立へと報道したと承知しているが、Morgan StanleyのGEF五月一日でTakehiro Satoは、これまで予想していた利下げ予想を撤回して中立になった。私もこちらのほうが正しいと思う。

The Fed’s decisive moves to avert a crisis have fueled a bear-market rally for equities, and we acknowledge that the chances of a proactive rate cut by the BoJ in the April-June quarter (as we have been forecasting) are now virtually nil, in the face of a likely robust (annualized 3% or so) GDP growth in the January-March quarter. There is still a slim possibility of a rate cut in June or the July-September quarter, but incoming US data flow should improve, backed by fiscal stimulus measures, and we think monetary policy is likely to slip down the market’s agenda in both the US and Japan.

審議委員の物価安定理解が相変わらず0-2%で、中心値が1%程度なので、現在予想されるインフレ率はこのあたり。つまり、引用すると、

まず、第1の柱、すなわち先行き2009 年度までの経済・物価情勢について最も蓋然性が高いと判断される見通しについて、政策金利に関して市場金利に織り込まれている金利観を参考にしつつ点検する。上述した通り、わが国経済は、当面減速するが、見通し期間全体では、概ね潜在成長率並みで推移するとみられる。また、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比は、均してみれば1%程度で推移する可能性が高い。こうした動きは、「中長期的な物価安定の理解」に概ね沿ったものと評価できる。このように、わが国経済は、物価安定のもとでの持続的な成長を実現していく可能性が高いと判断される。

ということで、現状OKというスタンス。これでは、利下げするはずはありませんね。逆に、インフレ率が2%に近くなれば、forward lookingに利上げするでしょう。交易条件効果については、2回の石油ショックを上回るんだけど、結局は海外部門内で押さえ込めてますといううframingをしているような気がする。すなわち、いろんな相対価格に影響があるという点を言わないという判断をしている。
 この一年で20万人の建設業の就業者が減少したのは、なぜなんだろう?定年や高齢化?それとも資源再配分?図表34(1)を見ると、生産年齢人口はこの10年間減少傾向にあるのだ。約1%の減少率。就業者は0.4%の減少率だった。

080417_1  日経ネット(4月17日)で斉藤太郎氏は雇用に関する二つの統計の食い違いを指摘していて面白かった。

総務省「労働力調査」の雇用者数は、2008年2月に前年同月比0.3%減と、3年ぶりに減少に転じた。ところが、厚生労働省「毎月勤労統計」の常用労働者数は、同2%程度の高い伸びを続けており、両者の動きは大きく乖離(かいり)している(図表1参照)。

理由は非正規雇用の減少にあるらしいとのこと。その要因としては、改正パートタイム労働法への対応、企業側の景気悪化を予想した雇用調整が派遣労働者などの非正規雇用に最初に出ている可能性とのことだ。

 最近の物価高は図表38にわかるように必需品に特徴的なので、この意味でも格差悪化型の景気不調、政府・日銀は何もしないという選挙前には政権党に非常に悪い状況だ。しかし、これで野党が勝てなければ、神風がいたるところで吹いているのだから、これもまたひどいのかもしれない。

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