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サブプライム危機による米国の金融機関の損失額予想

 Martin Wolf、マーティン・ウルフ(subscription required)は1兆ドル、つまり約100兆円。ルービニは下限が1兆ドル、1.7兆ドルもありえ、上限は2.7兆ドルと言っている。こういうのはguesstimateなのですが、桁ぐらいは押さえておいたほうがよい。なお、このペーパーによれば、日本の銀行不良債権の償却額について、『全国銀行ベースでみれば,「償却(write-offs)」及び「引当(provisions)」の累計額で,これまでに約81 兆5,000 億円の不良債権処分を行ってきている』と述べており、さらに、『公的資金として1998 年に導入された6 0 兆円の金融システム対策枠の中から,2002 年3 月末までに,不良債権処理のための預金保険機構からの金銭贈与が12 兆円支払われた.(この他に,エコノミストによっては,上記の公的資金枠の下で預金
保険機構が整理回収機構(RCC)を通じて買入れた債権(約4 兆円)及び資本注入(約10 兆円)をも算入する人もいる』と述べている。総計では、だいたい100兆円である。
 日本と米国の経済規模はだいたい1:3なので、米国サブプライム不動産融資危機の損失が1兆ドルであれば日本の三分の一の規模、2.7兆ドルであれば同程度になる。つまり、そういう経済危機と考えられているのである。

 【追記】op-ed自体のタイトルは"Going, going, gone: a rising auction of scary scenarios"。これに対してEconomists' Forumの中でW. Buiterがつけたコメントが興味深い。読むには、「FT080312Buiter.txt」をダウンロード 。ここでは2008 US Monetary Policy Forumに提出されたペーパーへの批判も書かれている。これはちゃんと読まないといけない。

 【再追記080326】Buiterを読んだ。James Tobinは本当に偉い。しかし、mortgage lossはかなりのcapital lossになると思うので、これはBuiterの言うredistribution effectを考えてもかなりのcredit収縮になると思う。日本の場合、塩漬けにしたことが非常にダメージを与えたことがよくわかる。loan loss provisionで行くかwrite-offで行くか。

【再々追記080327】Buiterについてコメント。数値例で、mortgage paymentがforeclosureにより消滅することがhouseholdsへのredistribution効果を生むと議論しているが、その実をよく考える必要がある。foreclosureされるので、家計は新たに住む家を見つけなければいけない。つまり、mortgage paymentの代わりに新たなrentを支払わなければいけない。その上、net wealthがwipe outされるので、資産効果によりconsumptionは低下、savingは上昇するだろう。さらに家計のcredit history(需要側)および金融機関の引き締め(供給側)により新たなcreditの可能性は低くなるだろう。

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