« 世銀のMaking Local Development Strategies: A Trainer's Manual | Main | Eddie Santiago: lluvia »

ブラッド・デ=ロングのProblem Set 1: National Income Accounting: Economics 101b: U.C. Berkeley: Spring 2008

 ブラッド・デ=ロングのProblem Set 1: National Income Accounting: Economics 101b: U.C. Berkeley: Spring 2008はこれ。第二問はハッとさせられる。

2. Calculating real magnitudes:

    * When you calculate real GDP, do you do so by dividing nominal GDP by the price level or by subtracting the price level from nominal GDP?
    * When you calculate the real interest rate, do you do so by dividing the nominal interest rate by the price level or by subtracting the inflation rate from the nominal interest rate?
    * Are your answers to the two parts the same? Why or why not?

 きちんとゼロから考えて、テイラー展開をおさらいして、realというものをきちんと考えるということですね。これが、まさにスタンダードの中級マクロというものです。話は飛ぶのですが、初級マクロで経済成長→二期間モデル→sticky price→Money...と進行し、日本の事例(失われた10年、つまりHayashi and Prescottの要約から始まる)をふんだんに使って、かつ、それなりに説明が丁寧であまり数式が無い教科書はないものか(二神は数式が多くてねぇ、、、)。ちなみに、Taylor (Timothy T. Taylorですけど)のPrincipleを見ると、後半のマクロ部分はこういう流れになっている。

マクロ経済の変数(GDP)→経済成長→失業→インフレ→貿易収支・資本収支・貯蓄=投資関係→AS-AD枠組み→ケインジアンの考え方(フィリップス曲線や乗数効果)→新古典派の考え方→貨幣と銀行→金融政策と銀行監督→為替レートと国際資金移動→財政収支と財政政策→政府借入と国民貯蓄→世界のマクロ経済政策

 ちなみに、中谷マクロの構成はこう。

Part 1 イントロダクション
 1 日本経済の循環と変動
 2 GDPの概念と物価指数
 3 マクロ経済学における「短期」と「長期」
Part 2 短期モデル
 4 所得はどのように決まるか
 5 貨幣の需給と利子率
 6 IS-LM分析と財政金融政策
 7 国際マクロ経済学
Part 3 長期均衡への調整
 8 短期モデルと長期モデルの比較
 9 物価水準はどのように決まるか
 10 インフレとデフレ
 11 経済成長の理論
Part 4 消費・投資
 12 消費と投資
 13 投資決定の理論
Part 5 マクロ経済学の新潮流
 14 マクロ経済理論の新展開
 15 マクロ経済政策の有効性について
 16 エピローグ:バブル崩壊以後の日本経済とマクロ経済学

 ということで、あいも変わらず短期から長期へ、ケインジアン中心、第四部にいたっては80年代の中級の教科書(荒憲治郎の『マクロ経済学講義』(1985年) だったかな)で典型的に見られた移行期の構成ではないだろうか。天下国家を操作したい(なんか歌舞伎に出てくる大敵みたい)人にとってはこれでいいのだけれど、ついぞ天下国家は与件で、どうしてこうなっちゃったのという疑問をもって実証的なアプローチで考えたい人々は、もう短期で一気に離れるんだよなぁ(俺の実力不足かしら、、、)。じゃぁ代替案を出せって?ふうん、じゃぁまずは上記のTaylorに倣って一応のモック・アップでも:

1)マクロ経済の変数(GDP)――これは従来のものでまぁいいかしら、三面等価
2)経済成長――失われた10年の話、林=プレスコットのさわりの部分とか、潜在概念、式はやらない、
実質、名目
3)失業――これも失われた10年の話、ただし大恐慌は回避
4)インフレとデフレ――一般価格(物価)が上がりすぎるのも下がるのも良くない、CPIの計算
5)貿易収支・資本収支・貯蓄=投資関係――ここはidentityで三面等価拡張版、ISカーブ、フェルドスタイン=ホリオカなど
6)AS-AD枠組み――宮尾 龍蔵『コア・テキストマクロ経済学』を思い出す
7)ケインジアンの考え方――短期、
フィリップス曲 線、45度線分析、乗数効果(IS-LMはヤラズ)
8)新古典派の考え方――長期、flexible price、生産性ショック
9)貨幣と銀行――貨幣の導入、BSの考え方
10)金融政策と銀行監督――ABC of Monetary Economics、金融危機まで
11)為替レートと国際資金移動――購買力平価、マンデルのトリレンマ
12)財政収支と財政政策――政府、地方政府(IS-LMは附録)
13)政府借入と国民貯蓄――異時点間の話
14)世界のマクロ 経済政策――マクロ協調、金融危機再説など

 いわゆる総合・教養系(間違っても初級から中級に行く使命がある経済学部ではない)を想定すると、1年秋と2年春にミクロ(これはマンキューPrincipleミクロで当面はいいと思う、別にクルーグマンでもいいけどスティグリッツはイヤダナ)をやって、2年秋と3年春に(やりたい人は1年秋と2年春でもいいと思うけど)このPrincipleマクロをやれば、大学生としての(つまりhumanitiesとしての)あるラインは押さえられるんじゃないかしら。あとは、標準偏差が使えるようになる(金科玉条のように学生が信奉している偏差値を含めて)統計データ分析(つまりこれみたいな「専門家」批判を含めて)をやってくれていれば、このラインとして有難いんだけど。

 昔書いたこれも思い出したのだけど、大学紛争(もしくは一人大学紛争)で大学に実質行かなかった人々のeconomics in humanitiesと、現代のeconomics in humanitiesには当然違いがあるべきだということもわかった。もう収拾がつかなくなってきました、ハハハ、やめよ、やめよ。ハイ、ソレマデヨ。

|

« 世銀のMaking Local Development Strategies: A Trainer's Manual | Main | Eddie Santiago: lluvia »

Economics」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 世銀のMaking Local Development Strategies: A Trainer's Manual | Main | Eddie Santiago: lluvia »