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グアテマラ経済2008年の可能性

 2007年で、輸出額が70億ドル、移転が46億ドル(そのうち39億ドルが海外送金と、援助)、輸入が135億ドル。貿易赤字は65億ドル、経常収支赤字が17億ドル。ネットの資本黒字が20億ドル、そこで外貨準備が2億ドル増加。輸出の2倍も輸入しているというところ、移転の多くが海外送金、というところが第一印象。
 米国経済停滞で、輸出や海外送金が低下すれば、輸入ができなくなります。もちろん、ドル=ケツァル市場においてドル供給が少なくなりますので、ドル高、ケツァル安になり、ケツァル安は海外においてグアテマラ製品の価格を下げることになり、輸出にプラス。さらに、ケツァル安はグアテマラ労働賃金をドルベースで下げますので、直接投資を通じた輸出にプラス。しかし、輸出向け多国籍企業にとっては労働賃金を見て進出を考えるというより、unit labor costさらには、治安なども考えますので、すぐに直接投資が行われるかは疑問。それよりも、米国での需要が減退するのに、企業が積極的に投資するかは大疑問。当面、グアテマラで作っている製品で輸出に回せるものがすぐに伸びるかも疑問。
 海外送金の半分は、最終消費に使われているとの推計があるそうで、送金を受ける家計が貧困層に多いとすれば、送金減は彼らの生活に大インパクトとなるでしょう。
 ケツァル安は輸入品の価格を上げますので、インフレへの影響が懸念されます。インフレで言うと、引き続き食料品が値上げが続くかが心配され、エンゲル係数の高い貧困家計にとっては、海外送金減小とあいまってダブル・パンチ。2007年のインフレ率が約9%。中銀のインフレ・ターゲットは5%プラスマイナス1%ですから、かなり悪い成果。インフレ懸念から中銀は金融を引き締めにする可能性はあり、その効果が、国内投資の減退や消費から貯蓄への転換に現れるとすれば、景気が落ちるでしょう。
 国内の部門は貿易財と非貿易財の2部門に分けるのがおそらく一時的接近として正しく(サックス=ララインの従属経済モデル)、資源配分が非貿易財から貿易財にスムーズに流れるかが重要です。一般には、発展途上国にとってはこれはなかなか難しい。ただし、新政権が大規模な公共事業をやるとすれば、これは非貿易財へのテコ入れになるはずです。財源がどこかが重要になりますが、メキシコの例をみても税制改革にはまだしばらく時間がかかると思ったほうが良いのではないかと思います。
 都市の中間層以下は非貿易財部門に位置していると思いますので、生活は苦しくなるでしょう。治安面に与える影響も無視できません。農村では、農産品は輸出できるものへの転換が進むことが予想されます。自家消費よりも生産のほうが大きい中流以上の非貧困農家は農業輸出によって生計向上の可能性ありですが、自家消費のほうが生産よりも大きいであろう貧困農家は辛いでしょう。そこを海外送金が埋めていたとすれば、これはトリプル・パンチとなります。
 以上が思いついたところです。まだ見落としている点も多々あるかと思いますが、そこはtrial-and-error、書かないよりまし、かしら、、、。
 データは中銀のこれを参考にしました。

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