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勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚

31zhhzwfrsl__bo2204203200_pisitbdp5  村井 淳志『勘定奉行荻原重秀の生涯―新井白石が嫉妬した天才経済官僚』(集英社新書)。佐藤雅美氏の『大君の通貨』以来の面白さであった。『武士の家計簿』より荒削りな分、面白いかな。FriedmanのMonetary Mischiefを思い出した。もう少し後で書くかも、、、。

 【後記】第一、日本史をよく知らない私としては、本書に書かれるpiecemeal mini-reforms in Edo periodが興味深かった。かなりのmeritocracyがあったらしい。第二、新井白石の『「初めに改鋳のようなことをしなければ天災も起きなかったかもしれない」』(p.188, 200)という記述はとんでもはっぷん。たしか元禄期はそこそこ経済も成長していたと推測するので、貨幣をそれに応じて発行するのは貨幣数量説からしても別に問題はないでしょう。第三、検地をしてから実施するまでに10年もかけたという現実主義(p.64)は面白い。第四、佐渡金山の話は、price scissorのliteratureかしら(p.100)。第五、改鋳がインフレを起こしたかどうかは、グラフを作ってから、regressionしたほうがよくわかるでしょう(p.123)。第六、改鋳が貨幣貯蔵者への課税であったいう解釈=指摘というのは興味深い(p.128)。第七、長崎改革の最後は、幕府がresidualをとっているのでriskを負担している(p.155)。第八、東大寺大仏殿が小さくなった理由(p.175)。第九、給与から知行への変更はリスクを負担させるという意味で興味深い(p.160)。

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