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North, Wallis, and Weingastメモ

North, Wallis, and Weingastの
The Natural State: A Conceptual Framework for
Interpreting Recorded Human Historyについての
簡単なメモです。御笑覧まで。

http://www.iq.harvard.edu/NewsEvents/Conferences/EWA/Oct07/index.php

ここでの最上位概念はsocial order(社会秩序)であり、
(市場や憲法などを含めた)いろんな制度や組織も異なる
social orderのもとでは異なる動きをする。すなわち、
一つのsocial orderのもとで上手く働いている制度・組織を
別のsocial orderのもとで機能している国に持ち込んでも
上手くいかない。ゆえに、1990年代以降のいわゆる第二世代の
(制度構築の)構造改革への警鐘という意味合いを持つ。

人の歴史にはこれまで三つのsocial orderがあったという。
第一に、the primitive orderがある(chap.1, p.5)。
これは25人~50人で形成される対人的な接触をもとに
形成されるsocial orderである。
第二に、natural stateがある。約一万年前ぐらいに
始まったsocial orderであり、elite同士が暴力をお互い
に自制して、rentを獲得するというものである。
最も大きな特徴は、limited accessであり、政治にも
経済においてもentry(新規参入)を制限することで
rentを確保する。
第三に、open access societiesがある。これは
18世紀中ごろに始まった。特徴は、新規参入を
政治においても経済においても自由に認める
というものである。

現在の世界は、natural stateとopen access societiesの
混在であり、約25カ国すなわち世界人口の15%、だいたい
先進国はopen access societiesであり、残りは
natural stateであるという(chap.1, p.2)。

本書は政治経済の書物であり、ウェーバーやマルクス、
オルソンなどのように政治と経済の双方を包含して考察している
(chap1, p.12)。
重要なキーワードの一つにrentがあり、natural stateにおいては
新規参入を阻止することでrentを作り出し、それをeliteが
共有するという仕組みになっている。また、暴力の分布と組織と
経済力の分布と組織の双方を考慮している(chap.1, p.7)。
これをdouble balanceと呼んでいる。

rentの考察についてはKhan and Jomo 2000を多用している。

本書の白眉は、当面は二つ。一つ目はeliteを単一のアクター
とするのではなく(Acemoglu and Johnsonは単一のアクターと
しているはず)、elite間のcooperationを明示的に考察している。
つまり、microfoundationがある。
二つ目は、明示的にnatural stateからopen access societyへの
transitionを歴史的理論的に考察している。transitionは
二段階に分けられている。第一に、natural stateでありながら、
transitionに行く準備の段階のdoorstep conditionsを考察し、
それが満たされた後にtransitionが行われるとしている。

chap.1: 要約
chap.2: The Natural State
chap.3: 英国の土地法とnatural state(英国史が中心)
chap.4: open access orders(現代の発展途上国への議論含む)
chap.5: The Doorstep Conditions
chap.6: The Transition Proper(移行そのもの、19世紀の歴史中心)

重要なキーワードとしてimpersonalというものがある。
とくにtransitionにおいて重要な役割を発揮する。
明示的には扱われていないようだが、ここで文書も
扱えると思う。

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