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魚住昭『国家とメディア』

4480422757_01__aa240_sclzzzzzzz_v3437314 魚住昭『国家とメディア』ちくま文庫。

 昨日、関連した判決が出たが、NHK番組改編問題を中心とした筆者の時評集。朝日新聞の記者がNHK関係者に取材した生のインタビュー記録は非常に興味深い。こういうインタビューを元にして、記事は支えられているのだという想像力を喚起される。

【補足】同様に興味深かったのは、『支持者を侮蔑した郵政民営化PR』という2005年7月4日の寸評であった。若干、恣意の選択で抜書きします。

 私がここで取り上げたいのは広告業者が政府に提案したプレゼン資料である。(中略)世論操作のノウハウや小泉政権の実態を知るうえでこれほど貴重な資料はないのではないか。

 資料の核心をなす「ターゲット戦略~現状認識~」と銘打った表を見てみよう。縦軸がIQ(知能指数)の高低、横軸が小泉政権の構造改革への評価の度合い(肯定的か否定的か)を示し、国民を四タイプに分類している。

 まずIQが高くて構造改革に肯定的な「A」層。この層は「財界勝ち組企業・大学教授・マスメディア(TV)・都市部ホワイトカラー」から成るとされる。それとは正反対にIQが低くて構造改革に否定的な人々は「既に(失業等の痛みにより)構造改革に恐怖を覚えている層」だと注釈され、IQは高いが構造改革に否定的な「C」層は「構造改革抵抗守旧派」の一言で片づけられている。

 これだけでもかなり差別的だが、問題はIQが低くて、大半が構造改革に肯定的とされる「B」層についての記述だ。この層は「主婦層&子供を中心」と「シルバー層」から成る。彼らは郵政民営化や構造改革の意味について「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層」すなわち「小泉内閣の支持基盤」とされ、この「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要」だと結論づけられている。

 広告には顧客層のターゲットが必要で、政策・政治の広告でターゲットをするなら国民を分類するしか方法はないのだが、それがこのように実際に行われているのを知ると、私の想像力の貧しさを実感する。これがリアリティかしら。分類の実際と、その意味と意義については、本当かしら、効果的かしらと違和感を覚える部分もあるが、それはまた。いずれにしても、情報の開示そして想像力の喚起として、非常に重要な寸評。

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