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メキシコ官庁人事

 メキシコ官庁の高級人事が出始めているところ。財務省では、Alejandro Wernerが昇格で順当人事。注目人事はSubsecretario de egresosとCoordinadores de asesores。前者はErnesto Javier Cordero Arroyo、後者はJosé Antonio Meade Kuribreña。前者は、カルデロンがエネルギー大臣当時にCoordinador general de aesoresであり、transition teamのpublic policy coordinatorであったので、大統領人事だろう。若干、財務大臣との関係が心配される。後者は、Chicagoであるので、当然、財務大臣人事。財務省人事はBanxicoの人事と連動していなそうなので、ここは新味。そういう意味でも、中銀の独立性が定着していると評価できる。あとは、IMF、WB、IDBの人事でSHCPとBanxicoがどう取っていくかが試金石。

 社会開発省の人事は、結構地味で、前政権からの継続性が感じられる。経済省も地味SCTSEPはまだか。

 (12月9日後記)YTさんのメールでSEDESOLの人事はより注目すべきことがわかった。ということで線を引きました。Thanks。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

ひさまつさん、こんばんは。
なんと偶然にも今日のブログにカルデロン政権人事について書かれていたのですね。たいへん勉強になりました。Sedesol人事の補足ですが、もう一つフォックス政権との相違点に気付きました。前政権下、Rogelio Gomez-Hermosillo Coordinador Nacional指揮下でOportunidadesはSedesolからの自律性を高め、Coordinadores estatalesの人事にも市民社会からの登用が見られました(インタビューから分かった裏話は今度お会いしたときに・・・)。一方、Sedesol本体のDelegados estatalesは結構政治的な人物が多かったのです。新Coordinador Nacionalが政治家出身であることから、OportunidadesのSedesolからの自律性が弱まる可能性も考えられますよね。州レベルの人事に今後着目してみます。また報告させていただきます。それでは、また!YT

Posted by: YT | 2006.12.10 at 02:34 AM

 YTさん、コメントをありがとう。Fox政権ではcivil societyからの登用が多かった点、今回の政治色強い人事と比べると確かに注目です。理由として三つ考えてみました。第一、Fox政権にはPANにはやはり人材がいなかったのではないでしょうか。議会も活性化してわずかの時期、党内にも全国レベルで仕事をこなせる人材が供給できなかった。この6年間で一応議会も働き、議員についてもそれなりの知見も蓄積したかも。第二、ratification strategyです。subsecretarioは議会の承認が必要。そこで、Fox政権はcredibilityが高い人、中立的な人物を選ぶことで承認をとりつける必要があったのではないか。このあたり、Vazquez Motaに尋ねたいところですね。Miguel Szekelyでもいいかも。今回は、PANはPRIと協働して承認プロセスを乗り切る戦略に出たとみます。第三、今回の社会開発大臣であるBeatrizとかいうおばさんが政治家なので自分の人事をしただけ。これが、カルデロン人事なのか、それとも社会開発大臣自身の差配した人事なのかがわかると興味深いところです。たしか、今回の予算では社会支出が増えたらしいですから、政権全体としては力を入れているはずですね。Subsecretario de egresosの人事を見る限り、カルデロンは人事の急所をよくわかっていると思います。

Posted by: ひさまつ | 2006.12.10 at 08:01 AM

ひさまつさん、示唆に富む仮説を提示してくださり有難うございます。フォックス政権が初のPAN政権であったこと、およびSplit-ticket voting等も響いて議会のマジョリティとなれなかったことを考えると、いずれの仮説もPlausibleだと思います。その中でも、特に第2の"ratification strategy"仮説が有力に思えます。当時の状況から、あからさまにPAN色の強い人材を登用すると議会の反発は必死であったとフォックスは判断したのでしょうね。また、今回の政治色人事を説明するもう一つの仮説としてOportunidadesの自律性を弱める政治的策略も挙げられると思います。PAN政権にとって貧困削減政策は一つの目玉である一方で、市民社会色が強く出すぎたことに歯止めをかける意図があったのでは、というのが私の直感です。ProgresaとOportunidadesの大きな違いは、後者が"Transparencia"と"Rendicion de Cuenta (accountability)"を重視していた点で、この進展はRogelioの個人的志向の強い反映だとOpo.内外の多数の人物から証言を得ました。つまり、PANにとってのunexpected consequenceだったのではないでしょうか。社会政策におけるTransparencyとAccountabilityが増すことは国内外からプラスの評価を得る上で有効ですが、いきすぎると政治的にはあまり望ましくないとPANが判断したのでは、というのが私の仮説です。これらの人事にまつわる事情、大変興味深いです。こんど調査で赴いたときに調べてみたいと思います。

Posted by: YT | 2006.12.10 at 03:47 PM

 YTさん、引き続き詳細なコメントを有難うございました。ブラジルのルーラ政権の勝利にbolsa familiaが大きかったと巷間では言われています。このあたり、Oportunidadesでてこ入れしたいでしょうね。但し、それが本当に上手く行くか、backfireしないか懸念が残ります。つまり、Salinas-Solidaridadでも選挙にはあまり効果なかったわけですよね。このあたり、なぜそうだったのかを解明しないとbackfireしちゃうかもしれませんね。

Posted by: ひさまつ | 2006.12.10 at 07:59 PM

ひさまつさん、bolsa familiaについてちょっとした追記をさせてください。12月1-2日にコーネル大学で行われた"Assessing Latin America’s “Left Turn”: Political Diversity and the Search for Development Alternatives"を見物してきました。会議でブラジルのルーラ再選についてU.Texas AustinのWendy Hunter教授が発表した際、ひさまつさんご存知のコロンビア大学のMaria Victoria Murilloさんが「メキシコのProgresa,Oportunidadesのようにbolsa falimiaが選挙キャンペーンに使われたのか」との質問をしました(この見解自体、要検討ですが・・・)。それに対して「bolsa falimiaはpolitical "manipulation"ではなく、むしろpolitical "payoff"として考えるのが妥当」といった回答だったのですが、この興味深い相違について私はまだよく理解できないでいます。目下、熟考中のトピックです。私自身、"manipulation"も"payoff"もpolitical motivationの下位分類だと思うのですが、もうすこし思考を整理してからまた提示させていただきますね。YT

Posted by: YT | 2006.12.10 at 08:29 PM

YTさん、なるほどbolsa familiaはpolitical manipulationというよりpolitical payoffですか。ふうむ、事前に予想受益者のpolitical actionがあり、それに対してのrewardがpayoffのような気がしますね。とにかく、事前にモデルを設定しないと思考がすすまないような気がしますね。まぁお互いにもうちょっと考えてみましょう。ではまた。

Posted by: ひさまつ | 2006.12.10 at 10:23 PM

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