風邪の養生
昨日は朝起きるとどうも体調が悪いので、昼過ぎに体温を測ると38.1度。養生に入る。
寝床においてあった、網野善彦+阿部謹也『中世の再発見』平凡社をペラペラとめくる。BGMは、これもこういうときに聞くしかない三遊亭円生の『髪結新三』。書いてみると贅沢だが、高熱だから満足感はなし。
p. 78に書かれているシャンパーニュの大市についての事象が興味深い。阿部氏が述べるところでは、大黒俊二氏が書いたシャンパーニュの大市についての論文によると、商取引をめぐる係争事件において訴えられた者が逃亡した場合は逃亡債務者として追及され、その者の属する都市に対して即時債務弁済、あるいは財産の没収、当人の身柄の引渡しを要求する命令書が出たのだが、その都市が応じない場合は「大市往来禁止令」が出たという。つまり、その都市の成員すべてが大市に来ることを禁じられ、もし現れれば即時に逮捕、財産没収をうけるというのだ。
本書はもともと1982年に出版されていたのだから、80年代、90年代にはこの情報は広く入手可能であった。さて、この事実を、現在、ヨーロッパ商業復興を支える制度としてゲーム理論を使いながら解明しているのが、アブナー・グライフである。
日本人にとって20年間も放置されていた事実というか、グライフの力を借りないと論理的に別の角度から考えられないというか、、、反省ひとしきり。
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