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これは良い本!

4582852769 河地和子『自信力が学生を変える―大学生意識調査からの提言―』(平凡社新書、2005年)は良い本である。一点を除いて同感である。

 その一点とは、学生の就職活動において、『「会社説明会や最初の面接では、企業側ではとても威圧感がある応対を学生にする」が、面接の回数が増え、学生の人数が絞られるにつれて「会社の人たちの応対が柔らかく人間的になってくる」』(p.154)という一学生の意見を一般化しているように書いているところである。こういう企業もあるだろうが、それは合理的でないように思われる。最初の会社説明会では、企業にとってほとんどの学生は将来の仕事仲間ではない。その場合には、消費者として扱うのが正しい。すなわち、自社の製品を直接・間接に購入する消費者として丁寧な応対をするのが合理的であろう。それに対して、面接が終盤になってくると、もうお客様扱いはできない。ともに、企業間競争を戦う仲間として厳しいことも言うだろうし、ギリギリまで詰める試し方もするのが合理的である。

 しかし、この(本のテーマからすれば瑣末な)一点を除けば、本書は素晴らしい。最近読んだ「大学1年次に何に力をいれたかが就業意識をどれだけ推し進めるか」というレポートの結果とも大まかに合致している。サークルやアルバイトが<社会>経験として十分に機能していないこともある程度まで説明されている。大学において学生がどのように心がければよいのかもわかる。大学において教員がなすべき最低条件もわかる。さて、この市場状況にどれだけ対応できるか。身が引き締まりますね。

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Comments

サイト・デザイン一新ですね。夏のポロシャツのようなストライプ、少し季節を先取りでしょうか。

『自信力」、良書の紹介ありがとうございます。週末、元所属先のM山先生のお誘いで、岩手県の西和賀というところに蕨の草取りボランティアに行ってきました。蕨を原資とする地域通貨プロジェクトの一環だそうで(わらび本位制と呼ぶそうです)、私としては元所属先の教育プログラムに組み込めないかと思って出かけたのですが、「サークルやアルバイトが<社会>経験として十分に機能していない」が「ボランティア」にも結構当てはまるような気がするので(ひとつ間違うと、逆効果?)、河地さんの本も勉強してみます。

それはともかく、草取りはよい運動になり、西和賀の皆さんのもてなし、実に気持ちのよいものでありました。

Posted by: YN | 2005.07.11 at 10:00 AM

コメントありがとうございます。それぞれ理由は違うのでしょうが、サークルもアルバイトもボランティアも<社会>経験にならない可能性を秘めていますね。外向的だからといって、<社会>経験を必ずしも積めないという世間の迷宮的厳しさです。

企業インターンシップのほかは、友人の社会人と昼飯を食わせるぐらいでしょうか。

Posted by: ひさまつ | 2005.07.11 at 10:50 PM

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