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人民元2%切り上げ

 日経7月22日朝刊の見出しはかなり大きく、『ロンドン再び同時爆発』が小さくなった。中国人民銀行による公式発表の英語版はここ。managed floating exchange rate regime、具体的には米ドルに限らず、バスケット制を採用するとのことだが、それは米ドル、ユーロや日本円をどの割合で考慮するのか不明。米ドルに対しては毎日プラス・マイナス0.3%の幅でコントロールするとのことだが、(1+0.003)^90-1=0.30であるように、約三ヶ月で約30%もの切り上げになる可能性はある。しかし、物価との兼ね合いもあるから、中国人民銀行はそうは許さないだろう。他の通貨との変動幅は未だ発表されていない。

 新聞は専ら対米配慮や外国貿易との絡みを重視しているが、中国の銀行間市場との関係が興味津々。中国の市中銀行がnet foreign positionを多く持っている可能性があり、yuanで考えれば、切り上げはバランス・シート悪化要因。銀行間市場(レポ取り引き)で、資金の出し手は国営銀行など、受け手は証券会社・外国銀行のよう。とすれば、国営銀行がnet foreign positionを増やしてきていた可能性はある。米国の金利引き上げにより、Fed rateが3.25%、中国のinterbank rateは2%以下のようなので、固定為替相場制+Fedの今後ともの金利引き上げ期待から中国の銀行にはnet foreign positionを持ちたいというincentiveがあったとしても不思議は無い。資本規制だけ回避できれば濡れ手で粟のビジネスだ。とすると、2%のマイルドな切り上げだが、yuan単位で換算すると2%損が出るので国営銀行にはかなりの打撃になっているかもしれない。中国人民銀行が、国営銀行のそういう「投機」を諌めた切り上げだったかもしれない。為替レートの決定メカニズムからすると、貿易収支均衡条件に専ら関心が当てられているが、interest rate arbitrage要因のほうが重要なのではないか。

 ということで、マンデルのトリレンマからすると、自由な金融政策を前提に、やはり銀行を中心とした資本移動に押されて(もしくは、準備して)、為替レートの変動制に至ったということではないか。さらに興味津々なのはこの裏側でどれだけのderivativeが売られていたかどうか。基本的にderivativeを売る側は両建てにして、手数料収入を狙うのがポジションを使わずに大儲けする方法だから、、、。

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