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もうちょっと福井総裁についてコメントしてみる

 同じく3月23日の衆議院財政金融委員会での福井総裁の発言。まず、インフレターゲットについて(No.86):

○福井参考人 インフレターゲティングというのは、人によって、論者によって少しずつ定義が違いますので、なかなかお答えはしにくいところがございますが、私が国会でもあるいは記者会見の場でもその他の場でもお答え申し上げておりますのは、日本銀行は今、消費者物価指数という特定の経済指標をとらえてコミットメントをしている。今おっしゃいましたとおり、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上になるまで今の緩和を続けるというコミットメントをしているわけですので、その運営の考え方というのは、透明性を高めるという点に非常に焦点が絞られている。インフレーションターゲティングということを主張される論者が金融政策の透明性を高めるということにもし強い焦点を当てておられるならば、それは類似の性格はそこにやはり入っているというふうに言えるだろうと思います。  ただし、我々が目標としておりますのは、消費者物価指数の前年比変化率が安定的にゼロ%以上ということで、これは最終的に我々が目指す、より均衡のとれた経済の姿という点からいくと、一歩手前の姿かもしれない。そういう意味で、通過点かもしれない。しかし、物価がマイナスの領域で動いている日本経済の現状をより望ましい姿に持っていくためには、将来の本当に望ましい姿の一歩手前で、ここのゼロを通過するという重要な通過点を確実に早く果たすということが非常に現実的には重要な目標だ。そこに我々は焦点を絞って今すべての力を傾けようとしているということでありまして、通過点のところに数値目標を置いて我々は透明性を図って行動しているという意味では、インフレーションターゲティングとはやはり言えないと思いますが、それに準ずる枠組みで透明性を図りながら行動しているということまでは言えるんではないかというふうに思っております。

 私は、福井総裁がこのような認識を持っているとは知らなかった。つまりこういうことだ。(1)インフレターゲットというのは「平時」の物価目標であり、『均衡のとれた経済の姿』における物価目標である、(2)CPIが安定的にゼロ%以上という目標は、『一歩手前の姿』である、(3)しかし、この目標は重要な通過点で重要な目標で、透明性があるという意味でも重要だ。

 ということは、福井総裁は『均衡のとれた経済の姿』における物価上昇率とは、当然、安定的にゼロ%以上だと信じていることになる。とすると、福井総裁は二段構えで考えていることになる。長期国債が関係するような10年という単位で言えば、当然、この二段目にかかるであろうから、『均衡のとれた経済の姿』における物価上昇率を福井総裁はどう考えているかが重要だ、どう考える?という質問を議員にして欲しかった。

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