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福井総裁と自然利子率

 自己レスです。3月23日衆議院財務金融委員会における島聡議員の「量的緩和政策に関する出口論」に対する福井総裁の答弁(No.38):

○福井参考人 先ほど一回御説明申し上げたと思いますけれども、現在の経済の動きは、世界経済もそうなんですけれども、特に日本経済の場合、景気回復の動きと、それから物価が水面上に出ていくこのスピード感との間にやはりギャップを抱えている。景気の方を専らごらんになられる方は、早く出口論というふうな感覚で将来を見ようとなさる。ところが、物価の方をじっと見ております私どもからいきますと、もちろん早く出口に行きたいわけだけれども、出口までの道のり、ただ道のりが遠いか近いかというだけではなくて、これを乗り越えていくことの難しさ、この両方を強く感じる、こういう状況になっていると思います。  したがいまして、この先、景気は順調に回復していくことを私どもは強く願っているし、そういう方向で政策効果を出していきたいと思っておりますけれども、物価の方を見ております限り、出口論については、早目にそういう感覚を持たれるということをなるべく避けていただくようなメッセージを我々は出し続けていくということになると思います。  しかし、いずれ将来そういう出口に来るじゃないかと、おっしゃるとおりでございます、むしろ早く出口が来てもらわなきゃ困るわけでございますけれども、出口以降のことにつきましては、今具体的なことは申し上げられない、そこまで我々の考え方も煮詰まっていない。しかし、申し上げられることは、将来は再び金融市場の金利機能を回復していかなきゃいけない。もう一つは、出口に差しかかったからといって、市場の期待の形成ぶりについて、我々は、今までの注意の払い方から比べてうんと気楽になっていいよというふうにはやはり思えない。  恐らく、出口以降の日本経済については、潜在成長能力が次第に上がる、そして、実際の経済回復、成長率についても力強さを増してくる、こういうことだろうと思いますので、それにふさわしい金利が形成されていくということの以下でもなければ以上でもない。そういう形できちんと整々と市場で金利が形成されていかれるように、我々は適切なメッセージと適切な施策を打ち出していかなきゃいけない。  大変難しい課題だと思っておりますけれども、いろいろなことを今から頭の中で考えながら、そのことは、そのときになって我々の対応にそごが起こるということがないように十分工夫を凝らしてまいりたいというふうに思っております。

 下線部分が前記の日経編集委員の根拠となるようですね。しかし、自然利子率とは言っていない。それから、自然利子率の議論は、「自然利子率>市場利子率」⇒物価上昇、という形になっていますので、市場利子率を抑えながら自然利子率が上がれば、物価上昇になるという議論をしているかどうかですね。そう福井総裁が考えているかよくわかりません。

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Comments

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